テレビ放送がない…Netflixの「WBC独占配信」は日本プロ野球のビジネスモデルを変えるかもしれない

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日本側は、当然、2026年も同じ体制でWBCの放送を行うものと考えていた。

しかし今回の放映権は、東京ラウンドも含めてすべてWBCIが取り仕切るとし、読売新聞社を介さずにNetflixに放映権を販売した。販売額は約150億円と報じられている。これまで日本の地上波テレビ局との契約は1社30億円前後とされるから、話にならない金額だった。

前回のWBCでアメリカでも注目度が上昇

恐らく「潮目」は前回、2023年の第5回WBCだった。

2006年、2009年と2大会連続で「世界一」になった日本=侍ジャパンは2013年は準決勝でプエルトリコに敗退しベスト4(優勝はドミニカ共和国)、2017年も準決勝でアメリカに敗退しベスト4(優勝はアメリカ)だった。

2006年、2009年はMLBのスーパースターになっていたイチローが参戦。また2006年の大会でMVPに輝いた西武の松坂大輔は2009年はレッドソックスの投手として参戦し2大会連続のMVPになった。しかし2013年は日本人メジャーリーガーは参戦せず。2017年もアストロズの青木宣親が参戦したものの、あとはすべてNPBの選手だけ。当時日本ハムの大谷翔平も負傷で参加しなかった。この2大会、侍ジャパンは、海外も含めたベストメンバーを組むことなく敗退したのだ。

しかしコロナ禍で2年開催が遅れた第5回、2023年の大会では、パドレスと巨額契約を結んだダルビッシュ有が早々に参加を表明、宮﨑のキャンプに姿を現した。さらに当時エンゼルスの大谷翔平も名古屋の強化試合から合流した。

すでにMLBでトップスターに上り詰めたダルビッシュと大谷が開幕前からチームに参加し、東京ラウンドに臨んだ。必ずしも楽勝ばかりではなかったが、大谷翔平の投打にわたる活躍もあって東京ラウンドは全勝でマイアミの決勝ラウンドに進み、大谷の盟友、エンゼルスのマイク・トラウト率いるアメリカに3対2で勝って3度目の優勝をしたのだ。

最後はクローザーとして登板した大谷が、トラウトをスイーパーで三振に切って取るという映画の脚本でも書けないような劇的な勝利だった。

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