「商売に失敗する人」が絶対気づかない思考法 数字ありきで考えるのは危なすぎる

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それは最初が算数から入っているのが間違いだなと思っていて、最初に来るのはやっぱり国語だと思っています。国語ってどういう科目だったかっていうと、いちばん配点の高い問題ってなんでした? そう、記述式問題です。記述のときって、「なぜ、どういう意図で作者は言っているのでしょう」とか、もしくは「なぜ主人公はそこで突然泣き出したのでしょう」とか、それを見て「知らんわ」って思ったら答えにならないので、一生懸命推測をするじゃないですか。

それって、人の気持ちをはかることなので、それが僕の中で「不」を見つけることなんですよね。「誰かがこんな『不』を抱えていますね。それは誰がどんな『不』を抱えているんですか」ということを探すのがまずビジネスチャンスを探すことだと思います。なので1時間目は必ず国語ですが、国語だけだと商売にならない。「そういう『不』を持っている人は多いんですか? 少ないんですか?」といわれて、初めて算数の話が出てきて、「結構いるんですよ」とか「結構よく思うんですよ」とか「結構深刻なんです」という話になる。「あ、結構これ『不』が大きそうですね」と言って、それで「もしかしたらこれは商売になるかもしれない」と見つけたりします。

常見:うん。

「不」が発生する理由と解消されない社会的背景

不が発生する理由と、解消されない社会的背景を無視したビジネスプランでは、受け入れられないこともある

石川:これが国語と算数なんですが、このあとに理科と社会が控えていまして、理科っていうのは、その「不」が発生するのは理由があるんですよね。理由なくして発生していることはあんまりないので、理由がわかったうえでソリューションを考えましょうと。理由をわからずしてソリューションを考えることはあんまりないので、理科を考えます。

さらに言うと、「でもすでに解消されていてもおかしくないよな」とか「なんで『不』が残ったままになっているのかな」というのは、なにか社会的背景があるんですよね。「実は裏にこういう法律があります」とか、「実は技術が追いついていません」とか、昔からの商習慣でやらないとか、それを無視して強引にビジネスプランを書こうとすると、受け入れられなかったりする。そんな国語算数理科社会メソッドが、今いちばん自分がやっていることです。これは社内起業に限らなくても、独立しているベンチャーの方でも同じじゃないかなと。

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