常見:いいですね。根っこにあるものって、「よりよい情報」って言っても別に詳しいことを求めているわけじゃないと。一方で検索の怖さがあって、よく20代の人たちを表す言葉で「なんでもこの人たちは検索して」というのがありますが、意外に検索の仕方がわかっていないんですよ。だからレポートのコピペってあっという間に見破れるんですけどね。
石川:当時はオールアバウトは「検索で自分の気持ちを満たせない人向けの情報サイト」というコンセプトに決めたんですよね。
対象への愛情が大事
常見:そういうコンセプト作りって大事ですよね。今日ここにいる人が、「明日また営業の現場に行くぞ」とか「社内でいろんな検討をやるぞ」っていうときに、昨日よりちょっとだけ詳しく「不の解消」とか「不」を意識するためにはどうしたらいいんでしょう。
石川:やっぱり現場に行って、距離近くやるっていうことと、あとはものにもよるかもわからないけど、対象への愛情が大事な気がしていて、「なんとかしてあげたい」という気持ちになるとか。僕らは「イタコ」という言い方をしていたんですけど、その気持ちになってくると泣けてくる、みたいな。ただ、一方でそれだけやっていると、商売にならなかったりするので、すごく引いて第三者にクールに見るという使い分けをすることが必要だと思います。それが国語と算数の使い分けなんですよね。
常見:国語算数理科社会、さらに英を加えるとグローバル展開が見えてくるみたいなね。
石川:なるほど。
常見:日本でダメでも海外で持っていけばとか、日本でこれだけしかユーザーがいなくても海外に持っていけばとか。ちょっと途方もない話になりますが。ところで、最後に「会社を使って何かやれという」この本の根っこにあるメッセージについて、伺いたいのですが、そもそもなんでこの本を書こうと思いました?
客:笑
常見:いやでもそこなんですよ。起業セオリーと関係があって、なぜ本を書くかというと、世の中にドロップキックをしたいんだと。マジ蹴りじゃ、叩かれたりする。でも華麗なドロップキックだったら、みんな、「……は!」と言う。
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