「どうせ守られない」「行政がやること?」と批判の声も…《スマホ1日2時間》の条例案を"無意味と批判する人"の大誤解

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デジタルデバイスを使うほど得られる情報量は増える一方で、考える機会が減って想像力を働かせる機会も減りやすいもの。

また、デジタルデバイスを使いこなす人ほど情報処理力は上がる一方で、ここぞの集中力が下がりやすい傾向が見受けられます。自らデジタルデバイスの使用制限をすることで、想像力や集中力が上がるかどうか、試してみてはいかがでしょうか。

大切なのは議論と検証を重ねること

さらにもう1つ、自分で確認してほしいのは、デジタルデバイスから得た多くの情報は本当に必要なものなのかということ。心に残り、自分に好影響を与えるものなのか。限りある貴重な時間をかけるにふさわしいものなのか。

もしあなたが「必要」「好影響」「ふさわしい」と言い切れるのであれば利用制限は不要でしょう。

逆に「必要」「好影響」「ふさわしい」と言い切れないのであれば、多少の利用制限をしていいのかもしれません。もちろんデジタルデバイスには人生を豊かにするものもたくさんありますが、利用時間が増えるほどそれ以外の時間が充実していないことの裏返しになっていくのも事実でしょう。

その意味で「スマホを見ることを忘れて夢中になっていた」「楽しくてSNSにアップするのを忘れていた」という瞬間をいかに作るかが、令和を生きる私たちの課題といってもいいのではないでしょうか。

最後にもう1つふれておきたいのは、デジタルデバイスの利用を制限しても制限しなくても、過程の段階にすぎないということ。それぞれどんな恩恵と弊害があるのか。推察と事実を混同させず、個人としても組織としても議論と検証を続けていくことが重要でしょう。

筆者が話を聞いた人々の多くは、「今回のニュースを見て自分のスマホ利用時間を調べたら思っていたより多かった」と言っていました。これを機にデジタルデバイス全体の使用、ひいては生活全体のあり方について考えたとしたら、それだけであなたにとって意義深いニュースだったのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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