「どうせ守られない」「行政がやること?」と批判の声も…《スマホ1日2時間》の条例案を"無意味と批判する人"の大誤解
条例案のニュースが報じられてからの3日間、小・中・高校生とその親、未婚の社会人、中高年層の計72名から直接聞いた話を交えながら、制限のある・なし、それぞれの恩恵と弊害を掘り下げていきます。
「提案」「スローガン」にすぎない
豊明市の条例案を見ていくと、「仕事・家事・学習時間・移動時間などを除く余暇時間にスマホなどを使用する場合、1日2時間以内を目安とする」「対象はすべての豊明市民約6万8000人と市内の学校に通う18歳未満の子どもで、小学生以下は21時まで、中学生以上の未成年は22時まで」「スマホだけでなくパソコン、タブレット、ゲーム機器なども含む」「目安であり、違反しても罰則はなし」などの内容が明かされています。
なぜ豊明市はこのような条例案を提出したのか。
小浮正典市長はその狙いについて、「『不登校の子どもたちがスマホを手放せないために家に閉じこもってしまう』という問題からスタートしています。全住民が自分のそれぞれのスマホの使い方を見つめ直して、自分や家族の生活がないがしろにされていないか、見つめ直すきっかけとしてほしい」などと語っていました。
市民には自分の健康や、大切な人とのコミュニケーションを大事にしてほしいという思いが感じられます。
さらに注目すべきは、小浮市長らが「2時間」の制限にこだわっているわけではないこと。むしろ「支障がなければ3~5時間になっても問題ない」というスタンスを明かしています。罰則のない目安であることも含め、“提案”あるいは“スローガン”というニュアンスの条例案といっていいでしょう。
そのうえで書いておきたいのは、全国から豊明市への批判は無用であること。
すでに市内ではなく市外から多くの電話があり、その9割が「反対」であることが明かされていますが、条例案は議論のきっかけを与えてくれたようなものにすぎず、少なくとも現時点での過剰反応は不要でしょう。
逆に「自分や家族のスマホ使用時間を確認して、適正な使い方を考えるチャンスをもらった」というポジティブな受け止め方をしたいところです。
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