成功する人ほど「礼儀作法」を重んじている

映画「キングスマン」、哲学者アランに学ぶ

このように、人は「放っておけばどんどん気が滅入り、不幸になり、その不幸を伝染させる存在」なのだから、強い意志と適切な行動でもっていつも上機嫌でいるように心掛けなければならない、というのがアランの教えです。

要は、「たるんでないで気合いを入れて、幸せになろう。ちょっとした行動や動作で、気持ちを上げよう」ということ。礼儀作法も、その考えの中で語ることができるでしょう。

アランが考える「礼儀」

作法は、それ自体に意味があるのではなく、きちんと丁寧にルールにのっとって物事を行うことで、心が落ち着く効果がある。また、敬語やホスピタリティといった礼儀は、そこに心がこもっていなくてもOKで、言いさえすれば相手との友好的な関係を築くことに寄与するし、結果的に親愛の情や敬意が生まれることもある。これが、アランの考える「礼儀」です。私自身も、まったく同じことを感じています。

日本にも「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるとおり、近しい人、気を許した人を相手にすると、私たちはついつい礼儀を怠ります。ぞんざいで汚い言葉をなげつけたり、愚痴ばかりこぼしたり、不親切にしたり。そこには「わかってるだろう?」「まあ、堅いこと言うのはよそうよ」「なんでも言い合える仲なんだからさ」という甘えがあります。それではもちろんいけないし、本当の信頼を築くことはできません。いわばどんな間柄だろうと、ある程度「他人行儀」であるべきなのです。

アランは「家庭内は礼儀が特に重要。家族同士は礼儀を怠りがち。だから、たまに来客などがあって、外部の空気が入ってくると、家庭が一瞬ぴりっとする。礼儀が復活する。それはとても大事なこと」という旨の指摘をしています。

『幸福論』が著されたのは約100年前。そのころから、現代で問題になっている、核家族の息苦しさや閉鎖された空間における外部装置の重要性を指摘していたのは、さすがと言わざるを得ません。

もちろん職場の人づきあいにおいても、礼儀と作法は大切です。ちょっと仲良くなったからといって敬語を省いていいわけではない。無礼講だからといって羽目を外していいわけではない。同僚・部下だからといって適当に仕事を投げてはいけない。「礼儀が人を作る」し、「作法が関係性を作る」のです。

映画の中の英国紳士も、高名なフランス人哲学者も、そうした意味でも礼儀・作法・マナーの重要性を伝えていたのではないでしょうか。この秋、今一度、気を引き締めていきましょう!

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