「高校野球100年の年」として、大いに盛り上がった夏の甲子園。東海大相模が45年ぶり2度目の優勝を果たす形で幕を閉じました。
昨今の高校野球は、体格や技術だけでなく、取り組む姿勢やトレーニングメソッドなども、プロ顔負けのレベル。今年も、沖縄代表・興南高校の2年生エース・比屋根雅也投手の、ユニークなメンタル術が話題となりました。
チームをベスト8に導いた彼の、マウンド上でのリラックス法が「自己実況中継」。
1球ごとに自分の投球を「今のはいい球でしたね」「さぁ、ピッチャー、第1球」などブツブツと解説。こうすることで、自分を客観的に見ることができるのだとか。
このほか数年前、桐光学園(現・楽天イーグルス)の松井裕樹投手が行っていた、「相手チームへの応援歌を、まるで自分のためのかのように、マウンド上で口ずさむ」という方法。今大会でも何人かの投手が行う光景が見られました。
これらのアプローチに共通するのは「客観視」「醒めた視点」「俯瞰の意識」です。
常に大変なプレッシャーにさらされるピッチャーというポジションで、「自分はどうしたいのか」や「相手は何を考えているのか」という勝負の意識を持ちすぎると、リラックスできず、本来の力を発揮できなくなるということです。
これは、私が普段提唱している「仕事・人づきあいは演技でいい」というメッセージにも通底することでしょう。
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