「半年かけて徐々にならした」《猫とウサギ》天敵となりうる2匹が"寄り添い眠る"ほど仲良しになるまで

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成猫になり、ぽぽちゃんよりも一回りも二回りも大きくなったぴーと君が、ぽぽちゃんが近づくと体を縮めて後ずさり、道を譲るようになったのだ。そして決め手となったのは『ミラーリング行動』だった。

「ぽぽちゃんが毛づくろいをしていると、ぴーと君も隣で毛づくろいをしたり、ぽぽちゃんが眠っていると、ぴーと君が近づいて同じ格好で眠り始めたり。それを見て『ああ、もう大丈夫だ』って思ったんです。

今は、ぽぽちゃんはぴーと君を『大きなウサギ』だと思っていて、ぴーと君はぽぽちゃんを、『小さな猫』だと思っているんじゃないかな」

ぴーと君は、ぽぽちゃんの近くでお昼寝するようになった(写真提供:やすさん)

5年経った今では、ぽぽちゃんはぬいぐるみではなく、ぴーと君に毛づくろいをしてあげるようになった。そして2匹は、目を閉じて寄り添うようにして眠っている。

ウサギと猫と暮らすと、実際いくらくらいかかる?

実際、ウサギと猫を飼育すると、どのくらい費用がかかるのだろう。

ウサギのぽぽちゃんのエサは牧草とチモシーで、月4000円程度。ぴーと君のほうは月7000円程度かかる。保険にも加入しており、2匹合わせて4000円。毎月の固定費は1万5000円で、ここにおやつやおもちゃ代が加算されても2万円以内には収まる。

ただし、ぽぽちゃんは現在6歳。ウサギの平均寿命が7~8年程度であることを考えると、そろそろシニア期に入る。病気はまだないが、体調管理のためのサプリメントも増えた。胃腸管理のための乳酸菌、免疫力向上のためのビタミンなど、1カ月で4000円を超えるが、ぽぽちゃんの健康には代えられない。

やすさんの生活も変わった。家族や友人が訪ねてきてくれることもあるが、年に数回していた友人との旅行には行かなくなった。好きだったアロマや芳香剤など、においの出るものは避け、ぽぽちゃんがにおいを嫌うからという理由で、自炊の選択肢から焼き魚が消えた。

基本的に2匹中心の生活だが、これまで以上に幸福度は高くなった。動物との生活は、結婚や子育てと同じように人を不自由にする分、それ以上の幸せをもたらしてくれるのかもしれない。

生活が2匹中心になり、不自由も多いが、その分日々の暮らしは充実したものになった(写真提供:やすさん)

ぽぽちゃんを迎えたとき、「離婚」という人生の岐路に立っていたやすさん。片方の手のひらに収まるほどの小さな命が、自分の存在を全肯定してくれた。

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