なぜ要介護者が"カジノ"でみるみる元気に? 《常識破りのデイサービス》アメリカ視察で一発奮起した社長が変える「日本の介護」

シアタールームでゆっくり野球観戦や映画鑑賞もできる(写真:編集部撮影)
その日、ひときわ盛り上がっていたのがカードゲームの一団。ポーカーの一種、「テキサス・ホールデム」が始まったばかりだった。
「私、ポーカーやるの、初めてなんですよ。できるかな」
和気あいあいとした空気が流れつつも、ベテラン勢の目は勝負師のような鋭さ。笑顔の奥で巧みに駆け引きする姿は、まさにカジノを楽しむ大人の社交場という雰囲気だった。

「ギャンブル依存症になるのでは?」と心配の声も多かったが、これまでに依存症になった方は1人もいないそう(写真:編集部撮影)
驚いたのは、ここに居る誰もが要介護者に見えないことだった。
立ち上がりや移動、入浴の際にはスタッフの介助が入るものの、それ以外は介助の手を借りることなく、おのおのが好きなゲームに夢中になっている。その様子はデイというより、シンプルに「遊びに来ている」かのようだった。
「行きたくない!」を全部なくした施設づくり
「『あそこのデイには行きたくない!』。そう思われる要素をとにかく全部なくしたんです」
そう語るのは、運営会社の日本シニアライフ株式会社・代表取締役社長の森薫さん。2013年に日本初の「カジノ型デイ」を開業した立役者だ。

「デイを“仕方なく”行く場所から、自ら“行きたい!”と思える場所にしたかった」と森社長(写真:編集部撮影)
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