《嫁姑問題》から読み解く…なぜか「いつも不機嫌な人」が心の内に抱えている"密かな願望"の正体
そんなことになってしまうのはバカバカしいことです。怒りたい気持ちはわかりますが、何とか冷静に対処したほうが得策です。
他人の生きる背景を想像してみる
どんなことにも、原因があって結果があります。要するにその人が仏頂面をしているのにも原因があるはずです。
いったい、なぜ、そんなに不機嫌なのか。返事もろくにできないのか。ちょっと想像してみると、妙案が見つかるかもしれません。相手が女性だとします。ひょっとしたら、彼女には悩みがあるのかもしれないと考えてみます。
たとえば、夫がとてもだらしなくて、ギャンブルで多額の借金をつくって、蒸発してしまった、など……。もし、そうだったとしたら、いつも不機嫌そうにしているのもわかります。
子どものことで悩んでいるかもしれません。息子が夜になると出ていってしまう。お金を勝手に持ち出していく。学校も行かないし、警察から呼び出されたりもする。説教でもしようものなら、暴力を振るう。そのため、家の中はグチャグチャ……。
夫も、相談相手にはなってくれない。息子にも何も言えず、目を合わさない。そんな状況では、とてもニコニコなどしていられません。
別の想像もできます。ひょっとしたら、彼女は幼いときに、親からひどい虐待を受けて育った人かもしれません。そのときのトラウマがあって、人とうまく関われなくなっているということも考えられます。
人には生きてきた、あるいはいま生きている背景というものがあります。それを想像してみることです。
ろくに返事もしないという人は、多くの場合、何か不幸を背負っているものです。「自分だけがどうしてこんなにもひどい目に」と感じているかもしれません。被害者意識が極度に強い場合もあります。
こうした場合、悪意があるわけではない、と思えば多少なりとも怒りが収まるのではないでしょうか。まず取るべき対応策は「この人は、こういう人なんだ」と受け入れてしまうことです。人に対して、返事ができないのだと決めてしまいます。
私自身、精神科医であっても、簡単に心を開くことのできない人も数多くいます。よかれと思って取った対応も効果を発揮しないこともあります。ますます心を閉ざしてしまうこともあります。
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