「ポイ活戦線、“台風の目”はSBIか?」、Vポイントとdポイント双方と連携、《識者が分析「結局、全方位の外交スタンス」》
「住信SBIネット銀行という名称ですが、実はすでにSBIHDの連結子会社ではありませんでした。
同行が2023年3月に東京株式市場に上場したことで、NTTドコモとの買収交渉に臨む時点で出資比率は34.18%に下がっており、持分法適用会社となっていました。
一方で、 SBIグループはSBI新生銀行を連結子会社化しており、グループ内に2つも銀行が必要なかったのが実情です。そういった意味では、SBIHDにとっても、まさに“渡りに船”とも言える買収話だったわけです」
Vポイント・dポイント陣営の両方と手を結んだSBIHD
今回の交渉で、SBIHDはNTTとの間で資本提携(株式の取得)のみならず業務提携(事業の連携)も結んでいる。
そのうえ、今年の6月には三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と共同で新会社を設立することも発表。
新会社では、 富裕層を中心にデジタルと対面営業を組み合わせた資産運用助言サービスを26年春から展開するという。
そもそもSMFGとSBIHDは22年6月に包括的資本業務提携を結んでおり、前者は後者の第三者割当増資を引き受けて約10%の株式を取得していた(現状の持ち株比率は9%弱)。
Vポイント運営に関わっている三井住友カードを傘下に有するSMFGと、dポイント陣営であるNTTの両者と手を結ぶことになる。
「結局、SBIHDは全方位の外交スタンスなのです。おそらく北尾さんとしては、SMFGとだけ組むという意識がまったくないはず。