「ポイ活戦線、“台風の目”はSBIか?」、Vポイントとdポイント双方と連携、《識者が分析「結局、全方位の外交スタンス」》
回答者の90%超が実践していたとの調査結果も散見されるほど“ポイ活”がポピュラーになっているだけに、それぞれの経済圏はユーザーの囲い込み競争に力を注いでいる。
提携やM&A(企業買収)などによって、弱かった部分や足りなかった部分の補強に動いているのだ。
どの陣営がいずれと手を組むのか、いずれを傘下に収めるのかによって、ポイント経済圏の勢力地図が大きく変化する可能性が十分に考えられる。
そういった動きの中で“台風の目”のような存在となってくるのは、会長兼社長の北尾吉孝さん率いるSBIHDかもしれない。
SBIHDにとって住信SBIネット銀行売却は“渡りに船”
時代の流れとともに知らない人が増えているだろうが、もともとSBIはソフトバンク・インベストメントの略称だった。
現在はストラテジック・ビジネス・イノベーターの略称としているが、出発点はソフトバンクの金融部門であり、2005年に同グループから独立するまで、北尾さんは孫正義社長の右腕のような存在だった。
NTTドコモへの住信SBIネット銀行売却においても、強気の交渉で親会社のNTTからSBIHDによる第三者割当増資の引き受け(約1108億円)という前提条件を勝ち取ったと言われている。
ただ、住信SBIネット銀行はネット銀行で楽天銀行に次ぐ預金残高を誇っており、法人取引にも強いことで知られている。なぜ、SBIHDはあっさり手放したのだろうか?
事業構想大学院大学の特任教授でマリブジャパン代表取締役の高橋克英さんはこう説明する。