「お母さんごめん…」亡き親が遺した《とんでもないモノ屋敷》を前に、子が抱いた“一抹の後悔”

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しかし、生前整理で親子が揉めるケースは非常に多い。そもそも世代間でモノに対する価値観が違ううえに、実家に住む親本人は往々にして「今のままでいい」と考えているからだ。

「親子で普段からコミュニケーションを取っていたとしても、お互いの片付けに対する熱量は違います。住んでいる本人がモノを減らす必要はないと思っていても、残される子どもからすると『元気なうちに整理してよ』と感じる。そういった意見の相違から摩擦が生まれていろんな問題が起きてくるんです。

ただ、近年は“人に迷惑をかけないようにする“という意識が根付いて、生前整理がより一般的なことになってきたように感じます」(信定氏)

さらに、イーブイ代表の二見文直氏(以下、文直氏)は、生前整理は住んでいる本人ではなく親族が取り組む問題であると指摘する。

「生前整理は住んでいるご本人さんというよりも、子どもと親族が取り組む問題だと思います。あまりイメージできないかもしれないですが、遺品整理の負担はかなり大きいんですよ。体力的・精神的にも大きいですし、金銭面の負担もかなり大きいんです」

モノ屋敷
物置きと化している部屋も(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

親が「生前整理をしない」理由

葬儀費用に加えて片付けの費用も発生すれば、合計で100万円……多ければ200万円という金額が動くことも珍しくない。

しかし、当事者である親は、子どもにかける負担を理解していても、なかなか重い腰が上がらない。そういう気持ちになれない。なぜなら、「自分が死ぬ準備をしているようだ」と感じてしまうからだ。

モノ屋敷
大量の衣類を仕分けるスタッフ(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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物置き部屋は押し入れの中にも布団がぎっちり入れられていた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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