「お母さんごめん…」亡き親が遺した《とんでもないモノ屋敷》を前に、子が抱いた“一抹の後悔”

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そのため、長期的な目線を持った対話が必要になる。

「急がば回れじゃないですけど、生前整理って時間がかかるので、きちんと自分たちでやっていこうと思うと1~2年は見ないといけません。1~2カ月でそうそう解決する問題ではないんです」(文直氏)

もし短期間で片付けなければならない場合は、複数の業者から見積もりを取ることを文直氏は推奨している。100万円を超えてくる業者もあれば、同じ作業でも50万円以下で請け負う業者もあるからだ。幸い、ほとんどの業者は無料で見積もりに応じている。

モノ屋敷
水切りラックの中には1人では使い切れないほどの食器が詰まっていた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
モノ屋敷
貴重品を見落とさないようにしっかりと仕分けていくスタッフ(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

母がいるときは片付けなんて絶対無理

すべての荷物が運び出され、ガランとした部屋を前に、依頼主の姉がポツポツと母との思い出を話し始めた。

「私はここに4年ほどしか住んでいませんでした。母はいい気しないと思いますが、ここに足を運べなかった。そんなこともあって『こんな感じかな?』と思うけど、でもここで生活する中で母とはいろんなことがあったから。そんな話ばかり妹としていたから、『そんなこと言うことなかったな』と思います。

母がいるときは片付けなんて絶対無理でしたが、母もホッとしているかもしれません。いつまでもこのまま荷物を置いておくわけにもいかないですし。本当にお願いしてよかったです」

母が施設に入ってからの4年間は、姉にとって母との関係を修復する時間でもあったという。

モノ屋敷
すっかりきれいな状態になった姉妹の部屋(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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