「お母さんごめん…」亡き親が遺した《とんでもないモノ屋敷》を前に、子が抱いた“一抹の後悔”

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室内は、45年の歳月を感じさせる物量だった。ある程度、姉妹によって不用品の仕分けが進められていたものの、細々としたモノがダンボールに入ったままいくつも残っている。

とくに多いのは本や雑誌などの紙類と衣類。奥にある和室は物置と化しており、天井近くの棚からは25年前に賞味期限が切れたお茶も出てきた。また、姉妹も最近まで存在を知らなかったという共用部分の倉庫にも荷物が残っていた。

現場に入ったスタッフは総勢10人。エレベーターもなく、モノの量も多いが、貴重品以外は基本的にすべて撤去するので4〜5時間ほどで完了する見込みだ。ビニール袋に衣類を詰め、次々と屋外へ運び出していく。

「作業しやすい気候になってきましたね。いい汗をかく今ぐらいが片付けのベストシーズンですね。寒かったらやる気は起きないし、暑くてもしんどいじゃないですか」

作業日は4月。気候的にも片付けに適した季節だとスタッフの1人が言う。

モノ屋敷
かつて姉妹が暮らしていたという部屋にも荷物が残る(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
モノ屋敷
衣類は袋に収まり切らないほどの量だ(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

今、「生前整理の依頼」が増えている理由

ここ最近、イーブイでは遺品整理だけでなく「生前整理」の依頼が増えている。当時、現場に入ったスタッフの二見信定氏(以下、信定氏)は、その理由をこう分析する。

「50~60代の方が、両親の死によって遺品整理を経験する年代になりました。それを経験したからなのか、自分の子どもや親族に迷惑をかけないように元気なうちに整理したいという依頼がすごく増えてきています」

モノ屋敷
母親が寝起きしていた部屋は比較的荷物が少なく、タンスの中の整理も終わっていた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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