「ホントの秋葉原の住み方」を”秋葉原に住むことをテーマ”にした同人誌『秋葉に住む』を21年書き続ける達人に聞く

秋葉原でタワーマンションを5000万円程度で購入したのは、今になってみると破格だ。
しげの「2022年の末に同じ東京タイムズタワーのもう少し広い別の部屋へ移ったのですが、以前所有していた部屋は新築当時の2倍の値段で売れ、今の部屋も新築時の2倍の値段で買いました」
そしてなぜ、同人誌まで書いたのか。
しげの「もともとは大学時代の友人たちと一緒にコミックマーケット(コミケ)に参加し、鉄道の電気回路などの同人誌を制作していたのですが、「秋葉原に住む」というテーマの本を作ったらウケるかなと思い、2004年の7月から活動を始めました。
『秋葉に住む』というタイトルや本の構成などは、リクルートさんの雑誌『都心に住む』から影響を受けています」
21年前は今よりもっと「秋葉原に住む」イメージがまったく浮かばなかったころだ。
「2004年当時は千代田区の人口も今よりはるかに少なくて、住民基本台帳で41676人でした。2025年の今では68835人まで増え、秋葉原にマンションも増えています「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」(東京都)」
秋葉原も属する千代田区は、住民サービスが手厚いのがメリットだという。
「経済規模の割に人口が少ないので。特に子育て支援の体制がすばらしいです」
かつては「20時で眠る街」だった
まずは、しげのさんが見てきた秋葉原の変遷を語ってもらう。『秋葉に住む』発刊当時の2004年は夜が深くなると、開いている店はほとんど無かった。
しげの「1995年にWindows 95が出てからはパソコンの街になりましたが、古くからの石丸電気やオノデンも20時までで閉まっていましたし、20時で眠る街でした」
