日本企業のガバナンス改善は、適切な経営戦略に結び付くのだろうか。たとえば東芝には、数人の社外取締役がいて、優良企業の株価指数であるJPX日経インデックス400にも採用されていたため、優れたコーポレートガバナンスの手本とされていた。
日本在住歴が長く、非常に有名な企業の社外取締役に最近就任したある外国人は「経営陣が心から歓迎しない限り、部外者が影響力を持つことはあり得ない。上位1600社のうち、社外取締役制度を真に活用したいと考えるのは当初は100社そこそこだろう」と語る。
問題の本質を探るため、公益社団法人である会社役員育成機構のニコラス・ベネシュ代表理事に話を聞いた。
ガバナンスと経営、必ずしも連動しない
ベネシュ氏は「優れたガバナンスが必ずしも優れた経営に結び付くわけではない」と断った上で、東芝についてこうコメントした。
「学ぶべき教訓は、取締役の能力と訓練の問題だ。東芝では、元最高財務責任者 (CFO) が監査委員会の委員長を務めていた。その監査委のメンバーである社外取締役のうち、2人は元外交官だった」
同氏は、自民党の成長戦略特命委員会で指導的立場にある塩崎恭久氏をはじめとする一部の主要な政策立案者や、金融庁企業開示課の油布志行・前課長に非公式な助言を行っていた。
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