中国の不動産バブル崩壊、4年目も底割れ続く惨状 上場不動産会社の6割超が上半期の赤字を予想

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中国の不動産大手の万科企業は、2025年上半期に2000億円を超える純損失を計上する見通しだ。写真は同社が分譲した深圳市の高級マンション(万科企業のウェブサイトより)

中国の不動産業界が底なしの不況にあえいでいる。コンサルティング会社の億翰智庫のまとめによれば、中国本土の証券市場にA株(人民元建て株式)を上場している大手不動産会社のうち、7月末までに65社が2025年上半期(1~6月)の業績予想を発表。6割を超える41社で最終損益が赤字の見通しであることが判明した。

それらの中で最大の予想赤字額を示したのは、広東省深圳市に本社を置く万科企業(バンカ)だ。同社は上半期の純損失が100億~120億元(約2085億~2502億円)に達するとしている。

万科企業は中国の不動産業界において、長年にわたり優等生と見なされていた会社だ。しかし2024年に資金繰りが急速に悪化し、1991年の上場以来初の最終赤字に転落。同年の通期純損失は494億7800万元(約1兆316億円)に上った。

決算組み入れにタイムラグ

上半期の予想赤字額が万科企業の次に大きいのは、北京市に本社を置く華夏幸福基業の55億~75億元(約1147億~1564億円)、3番目は深圳市に本社を置く金地集団の34億~42億元(約709億~876億円)だった。

赤字の業績予想を示した不動産会社の多くは、その要因として(会計上の)繰越勘定科目の金額減少を挙げる。中国の新築分譲住宅は(物件の完成前に販売契約を結ぶ)予約販売がほとんどであり、不動産会社が購入者から受け取った前払い金は、物件の完成・引き渡し後に売り上げおよび利益として計上される。

言い換えれば、ある物件の予約販売収入が決算書の売り上げ・利益に組み入れられるまで1~3年のタイムラグがある。つまり、2025年上半期の業績予想は2022~2024年の厳しい販売状況を反映しているということだ。

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