中国の不動産不況が長期化するなか、不動産デベロッパーの新規開発用地の調達意欲が大幅に低下している。
不動産調査会社の中指研究院がまとめたデータによれば、2024年上半期(1~6月)に土地を購入した上位100社(取得額ベース)の購入総額は3801億元(約8兆4087億円)にとどまり、前年同期比35.8%減少した。
それだけではない。複数の業界関係者によれば、「上位100社」の顔ぶれは過去数年で大きく入れ替わり、現在は地方政府直属の都市開発投資会社が大きな割合を占めているという。
地方政府系は土地を“塩漬け”
「これらの都市開発投資会社は、地方政府の(開発用地払い下げによる)歳入を支えるために土地を購入している。そうした土地の多くは実際には開発されない」。財新記者の取材に応じた大手不動産会社の担当者は、そう実態を打ち明けた。
不動産調査会社の克爾瑞のレポートによれば、2024年1月から5月までの不動産投資額を基準にした上位100社のうち、専業の不動産デベロッパーは民営企業が23社、国有企業が21社と、両者合わせても半分に満たなかった。残りの56社は、いずれも地方政府系の都市開発投資会社だった。
都市開発投資会社は、購入した土地の多くを長期間“塩漬け”にしてしまう。そのため、完成物件の販売額上位100社と土地取得額の上位100社の顔ぶれが乖離するという異常事態が起きている。前出の克爾瑞のレポートによれば、2024年1月から5月までの物件販売額で見た上位100社のうち、7割近い企業は2024年の土地取得額がゼロだった。
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