注目すべきなのは、不動産不況の最中でも開発用地を(民営不動産会社に比べて)積極的に調達してきた中央政府傘下の国有不動産大手が、ここに来て購入規模を大幅に縮小していることだ。
中指研究院のデータによれば、2023年の土地取得額のランキングでは保利発展控股集団(ポリ・デベロップメント)が1125億元(約2兆4888億円)で首位、中海企業発展集団(チャイナ・オーバーシーズ)が1101億元(約2兆4357億円)で第2位、華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド)が808億元(約1兆7875億円)で第3位と、中央政府系大手がトップ3を独占していた。
中央政府系の土地取得が激減
ところが2024年上半期(1~6月)のランキングでは、これら3社はすべてトップ3から姿を消した。中指研究院のデータによれば、保利発展の上半期の土地取得額はわずか110億元(約2433億円)で第8位、中海企業発展は120億元(約2655億円)で第7位、華潤置地は154億元(約3407億円)で第5位にそれぞれ後退した。
「2024年に入って不動産市場が一段と冷え込み、販売件数も販売価格も大幅に下落している。(資金力に不安のない)中央政府系の国有企業ですら、新規開発用地の調達を様子見せざるを得ない状況だ」
ある業界関係者は、上述3社の土地取得額が激減した背景をそう解説した。
完成物件の販売額のデータは、この関係者のコメントを裏付けている。中指研究院によれば、2024年1月から5月までの保利発展の物件販売額は1313億元(約2兆9047億円)にとどまり、前年同期比32.9%減少。中海企業発展は1017億元(2兆2498億円)で同30.8%減、華潤置地は920億元(2兆353億円)で35.9%減と、そろって3割超の落ち込みを記録した。
(財新記者:王婧)
※原文の配信は6月29日
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