中国不動産業界「国有大手」さえ土地買わぬ手詰り 市況が一段と冷え込み、資金力あっても様子見

✎ 1〜 ✎ 1452 ✎ 1453 ✎ 1454 ✎ 1455
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

注目すべきなのは、不動産不況の最中でも開発用地を(民営不動産会社に比べて)積極的に調達してきた中央政府傘下の国有不動産大手が、ここに来て購入規模を大幅に縮小していることだ。

資金繰りに窮する民営不動産大手の多くは、土地の新規調達を停止している。写真は経営危機に陥っている恒大集団の開発案件(同社ウェブサイトより)

中指研究院のデータによれば、2023年の土地取得額のランキングでは保利発展控股集団(ポリ・デベロップメント)が1125億元(約2兆4888億円)で首位、中海企業発展集団(チャイナ・オーバーシーズ)が1101億元(約2兆4357億円)で第2位、華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド)が808億元(約1兆7875億円)で第3位と、中央政府系大手がトップ3を独占していた。

中央政府系の土地取得が激減

ところが2024年上半期(1~6月)のランキングでは、これら3社はすべてトップ3から姿を消した。中指研究院のデータによれば、保利発展の上半期の土地取得額はわずか110億元(約2433億円)で第8位、中海企業発展は120億元(約2655億円)で第7位、華潤置地は154億元(約3407億円)で第5位にそれぞれ後退した。

「2024年に入って不動産市場が一段と冷え込み、販売件数も販売価格も大幅に下落している。(資金力に不安のない)中央政府系の国有企業ですら、新規開発用地の調達を様子見せざるを得ない状況だ」

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

ある業界関係者は、上述3社の土地取得額が激減した背景をそう解説した。

完成物件の販売額のデータは、この関係者のコメントを裏付けている。中指研究院によれば、2024年1月から5月までの保利発展の物件販売額は1313億元(約2兆9047億円)にとどまり、前年同期比32.9%減少。中海企業発展は1017億元(2兆2498億円)で同30.8%減、華潤置地は920億元(2兆353億円)で35.9%減と、そろって3割超の落ち込みを記録した。

(財新記者:王婧)
※原文の配信は6月29日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事