低迷する不動産市場の活性化を図ろうと、香港政府が思い切った措置を打ち出した。不動産投機を抑制するために過去に導入した特別印紙税の全廃に踏み切ったのだ。
2月28日、香港政府の陳茂波(ポール・チャン)財政長官が、2024年度の予算案説明のなかで明らかにした。具体的には、住宅取引にかかわる「追加印紙税」「買主印紙税」「新住宅印紙税」の徴収をやめる。
3つの特別印紙税は2010年からの不動産高騰をきっかけに相次ぎ導入され、不動産投資家の間で「辣招」(訳注:香港で話される広東語で「厳しい強制措置」を意味する)と呼ばれていた。
短期転売などを事実上解禁
これらのうち追加印紙税は、住宅の短期転売を抑えるのが目的だった。住宅購入者が契約から6カ月以内に物件を転売した場合には転売価格の20%が、6カ月から1年以内は15%が、1年から2年以内は10%がそれぞれ課せられていた。
買主印紙税は(中国本土の住民や外国人など)香港の永住権を持たない個人が住宅を購入する場合や、法人名義で購入する場合が対象だった。新住宅印紙税は、香港で初めて住宅を購入する場合を除くすべての買い主に課税された。
なお、買主印紙税と新住宅印紙税の税率は2023年に15%から7.5%に引き下げられていた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら