「豊洲」は結婚した34歳が住む切ない街だった 周囲にいるのは自分と「同列」の人ばかり

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30を越えたら運命の人と出会って自然に……なんて無いですよ

私は、あの誕生日会での衝撃で、イス取りゲームでひとりだけあぶれてしまうような恐怖を体験したので、とにかく、結婚をすることに価値を見い出し、結婚を決意しました。運命の人と出会って自然に……なんて無いですよ、特に30を越えたら。

いろんなものを知りすぎて、味わいすぎて、どんどん欲が出て決められなくなりますから。

"何者"でもなかったという事実に直面する切なさ

今の彼は、総合商社に勤務する39歳です。お給料は900万円程度。彼と合わせて世帯年収は、額面1700万円。あ、私のお給料ですか? 3年で、70万ぐらいしか上がっていません。それでも上がるだけ有難いですけどね……。彼は、37歳のときに、ローンで、豊洲にタワーマンションを購入したそうです。結婚を機に、銀座の家から、彼のマンションに引っ越してきました。

豊洲と銀座って目と鼻の先なのに、住んでる人たちはやはり違います。世帯年収1000万〜2000万円までに皆だいたい収まるんじゃないですか? 飛び抜けて高所得者もいない代わりに、経済力に不安がある人もいない。そういう同列の安心感みたいなものはある気がします。

だけど私は、この街の、その同列さがもたらす少しの切なさを感じます。

それって、きっと、すごく面白くて刺激的だと子どもの頃から信じていた自分の人生の物語が、実は、既視感のある、そこそこ素敵な「よくあるお話」だったことに気づかされてしまうからなんだろうなと最近思います。自分という人間が、唯一無二の主人公じゃなくて、エキストラのひとりになった錯覚に陥る感じです。

エビちゃん夫妻が、豊洲のタワーマンションの最上階に引っ越してきた

あ、でも最近エビちゃん夫妻が、豊洲のタワーマンションの最上階に引っ越してきたという噂を聞いて、この同列の生態系に変動が起きそうです!

だって、あの女性たちの理想を体現しているエビちゃんが選んだ街ですからね! 住んでる人たちも、皆イメージアップになると喜んでいます。切なさに、心強さが足され、この街が愛おしくなっていくんでしょうね(笑)

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