「豊洲」は結婚した34歳が住む切ない街だった

周囲にいるのは自分と「同列」の人ばかり

34歳になった綾は今、何を思うのか……?
 生まれた街から、就職を機に越してきた綾。 秋田の国立大学を出た綾が、地方銀行を強く勧める親をなんとか説き伏せて東京の某アパレル企業の総合職として就職。三軒茶屋の1Kに住み、仕事に邁進するうちに、仕事ぶりを評価されてブランドマネージャーに抜擢されたのが28歳。それを機に、5年間住んだ三軒茶屋を離れ、恵比寿に住んだ綾。上昇志向は飽き足らず、外資系に転職。お給料は700万円に。一流な女を目指して上質な暮らしをするため、銀座に引っ越した。不穏な恋愛と、享楽的な生活を楽しんでいたようだが、34歳になった綾は今何を思う……?

 

「東京カレンダー」(運営:東京カレンダー株式会社)の提供記事です

時々デートしている人がいたことは以前お伝えしましたよね?

彼に対しては、本気になったことは一度もなくて、彼の事情も理解していたつもりでした。「遊ばれている」と注意してくれる友達もいましたが、美味しいレストランも知っている、遊び方もわかっている、となれば、私も享受できるメリットがたくさんあるんです。もちろん好きな気持ちはありましたが、それ以上に打算的に考えて彼との関係を続け、甘い蜜を吸っていました。

足長おじさんみたいな男性を得た女性の成長スピードは速く、大人の階段を上るどころじゃない、エスカレーターでぐんぐん上に行けるんです。竜宮城で飲んで踊っているみたいに、毎日が宴のような享楽的な3年間でした。

33歳の誕生日パーティーで起きたこと

彼との関係を続け、甘い蜜を吸っていました

転機になったのは、私の33歳の誕生日パーティーの時です。

いつもの仲間が誕生日のお祝いで集まってくれました。私は迷うことなくシャンパンをオーダーしましたが、その時、5人中私以外の4人が全員、ノンアルコールをオーダーしたのです。それもそのはず、皆結婚していて、そのうちの2人が子持ち授乳中、2人が妊娠中だったんです。

その場は楽しそうにやり過ごしましたが、家に帰ってからものすごく落ち込みました。馬鹿騒ぎをしていた女友達が、私が竜宮城にいる間に、いつの間にやら命を宿してるんですから。あの時の衝撃といったら……いよいよ、自分が、後戻りできないほどのところまで来てしまったことを自覚しました。

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