「豊洲」は結婚した34歳が住む切ない街だった 周囲にいるのは自分と「同列」の人ばかり
時々デートしている人がいたことは以前お伝えしましたよね?
彼に対しては、本気になったことは一度もなくて、彼の事情も理解していたつもりでした。「遊ばれている」と注意してくれる友達もいましたが、美味しいレストランも知っている、遊び方もわかっている、となれば、私も享受できるメリットがたくさんあるんです。もちろん好きな気持ちはありましたが、それ以上に打算的に考えて彼との関係を続け、甘い蜜を吸っていました。
足長おじさんみたいな男性を得た女性の成長スピードは速く、大人の階段を上るどころじゃない、エスカレーターでぐんぐん上に行けるんです。竜宮城で飲んで踊っているみたいに、毎日が宴のような享楽的な3年間でした。
33歳の誕生日パーティーで起きたこと
転機になったのは、私の33歳の誕生日パーティーの時です。
いつもの仲間が誕生日のお祝いで集まってくれました。私は迷うことなくシャンパンをオーダーしましたが、その時、5人中私以外の4人が全員、ノンアルコールをオーダーしたのです。それもそのはず、皆結婚していて、そのうちの2人が子持ち授乳中、2人が妊娠中だったんです。
その場は楽しそうにやり過ごしましたが、家に帰ってからものすごく落ち込みました。馬鹿騒ぎをしていた女友達が、私が竜宮城にいる間に、いつの間にやら命を宿してるんですから。あの時の衝撃といったら……いよいよ、自分が、後戻りできないほどのところまで来てしまったことを自覚しました。