「豊洲」は結婚した34歳が住む切ない街だった

周囲にいるのは自分と「同列」の人ばかり

思えば10年前、23歳のときに東京に出てきて初めて住んだのが三軒茶屋でした。地元の人のぬくもりと微妙に相通じるところがあってほっとしたけれど、徐々に物足りなくなって、恵比寿に引っ越したんですよね。地元が恵比寿の広告代理店の人と付き合って、街も、毎日の生活もキラキラとしていて、希望にあふれていた気がします。それでも飽き足らずに、「私には無限の可能性がある」って信じて、外資系に転職して、銀座に引っ越して……。

この10年間、今よりもっと素敵なことが起きる、ってずっと夢見ていた気がします。東京で、すてきな男性と出会って、ドラマチックな結婚をするんだって、疑いなく信じていました。

そして今、私は、新しい街に住んでいますが、あのときと同じように未来への希望を高揚感を感じているのでしょうか……?

人々を惹きつけてやまない東京の魅力はどこにあるのか

東京の魅力はいったいどこにあるのだろうか

時々仕事が終わらず、深夜銀座からタクシーに乗って帰るのですが、その時、晴海大橋から見える、豊洲の高層ビル群の夜景を見ると、不気味に巨大化した海に浮かぶ根無し草のように見えることがあります。

その中に、何千、何万という人が暮らしているんですよね。皆、東京に何を期待してしがみついているんだろうとふと思います。人々を惹きつけて止まない魅力は、この東京のどこにあるんだろうかと……。

東京に来てから、ずっと、その魅力を探求して、魅了されてきたけど、最近は、この街で、もう身の程をわきまえるようにと、自分に言い聞かせて毎日過ごしている気がします。足を知り、我慢することの先に、何があるのかは私にはわかりませんが、34歳の女にとっては、こうすることが正しいことなのですよね、きっと。

ゴールを「結婚すること」に定めてスピード結婚をした綾。銀座からさほど遠くない豊洲のマンションに移り住んだものの、若干の違和感を感じているよう……。彼女の望むライフスタイルとの微妙なズレに、一抹の寂しさを覚えているようだ。東京で結婚をして、人生のステージをひとつ前に進めた34歳の綾だが、果たして彼女は幸せなのだろうか?

次週……3年後37歳になった綾の生活を紹介しよう。綾は、どんな街で、どんな女性になっているのだろうか。

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