しかも、2022年で40〜44歳の世代とは2007年時点では25-29歳の若者でした。まさに就職氷河期ど真ん中に社会に出た人たちです。ドラマ放送時に若者として桑野を見て笑っていた若者が、まさか自分が桑野の年齢に達した時に「金がなくて結婚できない」状態になっているとは思いもよらなかったでしょう。
結婚する・しないに関して本人の自由意思だということに異論はありませんが、それはあくまで桑野のような「それを選択できる側」だけの話であり、今の日本が直面している未婚化は決してそれぞれの自由な選択的意思によるものではありません。むしろ、「本当は結婚したいのに結婚できない男たち」、いわゆる不本意未婚が増えているというものです。
不本意ながら未婚である割合が半分以上に
かつて1990年代前半までは少なくとも「結婚したい」と思う20〜34歳未婚男性のうち約8割は結婚できていましたが、2015〜19年あたりではそれが5割台にまで激減しました(参照→「不本意未婚」結婚したいのにできない若者の真実)。自由な意思で非婚を選択したわけではなく、不本意ながら未婚である割合が半分以上を占めるようになったがゆえの未婚化なのです。
そして、この不本意未婚は、男性の場合その年収に大きく左右されます。
40代男性を対象に、「不本意未婚(結婚を希望していたのにいまだに未婚)」か「選択的既婚(結婚を希望していてその通りに結婚した)」人口割合を各年収に算出したものが以下のグラフです。

一目瞭然ですが、年収が低ければ低いほど不本意未婚率は高くなり、逆に、年収が高ければ高いほど選択的既婚率が高まります。年収400万未満では不本意未婚率は40%以上もありますが、年収500万円以上は逆に50%以上が選択的既婚です。要するに、自分の意思で男性が結婚を選択するためには、500万円以上の年収が必要になるということです。
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