もちろん、これは40代における年収なので、結婚を決めた時点で500万円が必須というものではありませんが、「40代になった時にそれくらいは稼げているはず」という将来の展望や希望があるかどうかは大きなポイントです。だからこそ、こんな未婚化が叫ばれている今でも、大企業勤務や公務員の男性の未婚率はほとんど上昇していません。つまり、中間層以下の男性にとっては「結婚は意思や選択の問題ではなくお金の問題」ということになるわけです。
一方で、若いうちから稼ぎがあったり、将来有望だと見込まれた男性は、それこそ「自分の意思や選択とは関係なく」、結婚を希望する女性たちから一本釣りされることでしょう。それこそ不本意未婚の対極にある不本意既婚ともいうべきものかもしれませんが、結婚したらしたで「家族のために働き、お金も時間も惜しまない家族オタク」のように変貌する男性も少なくありません。
「独身貴族」とはほど遠い存在
「結婚できない男」の桑野のような高年収でもこじらせたタイプの中年未婚もいないわけではありませんが、激増する中年未婚人口の大部分は、かつてのイメージのような「独身貴族」とはほど遠い「不本意結婚難民」なのかもしれません。しかも、決して貧困というレベルではなく、かつては普通に結婚できていた中間層年収帯では結婚できなくなったという「中間層の貧民化」が根底にあることは忘れてはならないでしょう。
ちなみに、桑野は続編においても相変わらずの偏屈ぶりを発揮し、誰とも結婚することもなく、50歳を超えていますが、選択的非婚としてとてもしあわせそうです。それも経済的な安定があるがゆえであるとも言えます。結果的に結婚する・しないにかかわらずお金という経済基盤は大切でしょう。
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