「"先生"と呼ばれていた男性に何が…」家の中に入ると、想像もつかない光景が広がっていたーー《孤独死の現場》に残された“驚く秘密”

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「遺品を何から何まで捨てると、もう1人の自分から『おまえ心なしだな』と言われているような心境になるんです。しかし、最優先すべきなのは遺族の生活です。第三者による『思い出まで捨てるわけじゃない』という言葉があれば、罪悪感を抱くことなく遺品を処分できると思うんです」

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きれいに片付いた洗面所と浴室(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

孤独死の現場に遺族が立ち会うことは少ない

作業は予定通り4時間で完了。2階に散乱していた生ゴミもすべて撤去されたが、やはり腐敗臭はわずかに残る。

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「作業はあと掃き掃除くらいなんですが、ちょっとクリーニングまでしていこうかなと思っています」

二見氏はそう言い、洗剤を使ってキッチン、洗面台、風呂場、トイレなどを磨き上げていく。

「依頼者さんも本来すごく悲しくて、でも感傷に浸れる時間もなく、バタバタと片付けている。その中でほんのちょっとだけでも、気持ちが軽くなるお手伝いができたんじゃないかなと思います。お話ししていてもやっぱり、心の余裕が生まれていったような気がするんです」

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男性が倒れていた部屋も浄化されたように生まれ変わった(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

通常、孤独死の現場に遺族が立ち会うことは少ないという。罪悪感に苛まれ、現実を直視できないからだ。しかし、依頼主である兄弟は現場に立ち会い、自らキッチンの汚れを落とそうとしていた。

「住んでいた方との思い出に向き合っているような感じがして、いつも以上に気持ちが入った現場でした」

最後は依頼主と一緒に隅々まで掃除をし、作業は終了した。

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ゴミで埋め尽くされていたダイニングもすっきり(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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キッチンはシンクの汚れもすっかりきれいになった(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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