階段を上って2階へ入ると、さらに荒れ果てた光景が広がっていた。
1つの部屋は床一面がゴミで覆われ、歩くスペースもない。ゴミの大半を占めるのは、コンビニ弁当や惣菜の空容器、そして酒やジュースの空き缶、ペットボトルといった、「生ゴミ系」である。
いくつかはビニール袋にまとめられているものの、むき出しのまま床に転がっているものもあり、容器にわずかに残っていた液体が漏れ出している。その臭いに誘われた無数の小バエがゴミの間を歩き回っていた。

「お酒やジュースの飲み残しが多い部屋には、やっぱりコバエ発生しやすいです。逆に、弁当や惣菜などの食べカスにはそんなにコバエが発生するイメージはないですね」(二見氏、以下同)
生ゴミに埋もれるように茶色く変色した布団が敷かれている。はじめのうち男性はこの部屋で寝ていたようだ。
「こっちの部屋だけ生ゴミが散乱していて、(新しいほうの)寝室は散乱していないじゃないですか。このままじゃアカンと思って、綺麗な部屋のほうへ避難するように寝室を移したんじゃないかと思います」

「男性に何があったのか」遺族も知らない
依頼主は男性の兄弟2人だった。近隣の住民がしばらく姿を見かけないことを不審に思い通報。駆け付けた警察官によって、室内で亡くなっているのが発見された。死後、7~8日が経過していた。
男性が亡くなっていた布団の上には、大の字の形に体液のシミがついている。夜、眠りにつき、そのまま亡くなってしまったのだろうか。

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