アヒージョがはやる理由の第1に、「食の洋食化」が挙げられます。朝のパン食の増加はもちろん、肉や乳製品も欠かせない存在で、外食はもちろん、家での献立も洋風のメニューが増えました。昔は珍しかったオリーブオイルも、現在ではどこのスーパーでも置いていますし、一般的な家庭でも常備されています。
洋風のメニューが増えれば、飲むお酒も変わります。メニューが魚中心から肉中心になったように、日本酒・焼酎から、ビール類やワインへ移行するのも当然の流れでしょう。
オリーブオイルと冷凍エビなど、手持ちの食材でぱぱっと作れるアヒージョは、「もう一品ほしい!」といった時にも簡単に作れ、ビールやワインにも合う、主婦にとってお役立ちの人気メニューなのです。
第2として「スーパーのお酒売り場の品揃えが充実した」ことが挙げられます。お酒売り場の売れ筋は発泡酒や新ジャンルを含めたビール類ですが、競合との価格競争も厳しく薄利多売のカテゴリー。それと比較してワインは、たとえワンコインの安価なものでも100~200円の缶ビール類に比べれば価格も利益率も高い。このことから、最近のスーパーの新店ではワイン強化の売り場が増えています。
アヒージョはスーパーのワインコーナーのおつまみレシピでも、紹介されることが多いメニューです。先のページで紹介したアヒージョの素は、調味料コーナーに加え、野菜売り場のきのこの横にもよく置かれています。ワイン強化の店舗では、アヒージョの素とともにワインも陳列し、同時購買を訴求しています。
「孤独のグルメ」でも紹介、男性の認知度も急上昇
また、「家飲みを刺激するテレビ番組」が増えているのも、理由のひとつではないでしょうか。特にテレビ東京の「孤独のグルメSeason3」では、アヒージョ風の「マッシュルームガーリック」というメニューが登場したことで、アヒージョの男性認知度は飛躍的に高まりました。番組を見た人の中には「五郎さん(主人公)がやっているように、あのオイルにパンを付けて食べたい!」という人も多かったはずです。
「孤独のグルメ」のほかにも、BS-TBSの「吉田類の酒場放浪記」やNHKの「世界入りにくい居酒屋」など、思わず一杯飲みたくなる番組は会社勤めのビジネスパーソンでも比較的自宅で観やすい時間帯に放映されています。テレビを観ながら1日の疲れを癒やしたい……。簡単に作れる居酒屋メニューのアヒージョは、こういった番組を観る際の晩酌のお供にも最適といえるのではないでしょうか。
最後に、前述したアンケート調査による「外飲みにはない家飲みならではの魅力」について、最も多かった回答は「夫婦や家族と一緒が楽しい(家族だんらん)」(39.0%)でした。外飲みに比べて気楽に楽しめ、しかもリーズナブルな家飲み。皆さんも手軽に作れるアヒージョをつまみに、素敵な晩酌タイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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