「通うのが楽しみに」団塊世代を惹きつける"料理特化型"デイサービスの全貌。《まるでおしゃれなカフェ》料理リハビリという新しい選択
スタッフの手ほどきのもと、野菜を切ったり、具材を炒めたりと真剣に調理に臨む利用者たち。
「キャベツの千切り、ちょっと分厚くなっちゃった」と照れ笑いする女性に、「大丈夫ですよ! 美味しそうに切れています!」とスタッフが寄り添いながら、声をかける。
料理教室という形を取りながらも、“料理の腕を上げる”ことを目的としていない。あくまで調理や食事を楽しみながら、心身の活性化を図るのがメインテーマだ。

主食も普通の白いご飯ではなく、リゾットや混ぜご飯、ピラフ、チャーハンというように、あえて手の込んだメニューにするなど、全体的に調理工程を増やす工夫も取り入れている。それは、食材を切る、焼く、炒める、煮る、味をととのえるといった動作によって、脳が活性化する場所が異なるからだ。
さまざまな作業工程を盛り込むことで、脳のあらゆる場所を刺激する。脳トレを意識したメニューの組み立ても、「料理リハビリ」の重要な柱となっている。

料理がもたらす「計り知れない」効果
午前11時。出来上がった料理を自分たちで盛り付け、テーブルまで運ぶ。サラダやスープを一人ずつ均等に、見栄えよく盛り付けようと懸命に手を動かす皆さんの姿に、思わず胸を打たれた筆者。誰かのためにつくることの少しの緊張感が、気持ちのハリにつながっているようにも見えた。

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