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「虫なんて大っ嫌いなのに…」美術学校卒女性がアース製薬で27年間《100種以上の害虫》を育てることになって知った、苦手な仕事との向き合い方

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「どんなに嫌な作業もそのうち慣れるし、環境も変化していく。あわてて辞めることはないよ」

「いいことも、そうでないことも、全部先輩に聞いてもらっていました。会社を辞めるきっかけは人間関係が多いといわれますが、環境は変わっていきます。信頼できる上司や同僚に味方についてもらえれば乗り越えられる。だから私も、後輩にはそう伝えています」

どんな質問にも丁寧にわかりやすく答えてくれる、とても気さくなキャラクターの有吉さん(筆者撮影)

前例なし。ナメクジ飼育で気づいた思い込みの壁

ゴキブリ飼育に取り組む一方で、有吉さんに新たな課題が舞い込んだ。研究で必要なときにその都度捕獲していたナメクジを「1年中使いたい」という要望を受けたのだ。しかし当時、ナメクジの繁殖方法は確立されておらず、参考資料もごくわずか。どうしたら卵を産むのかなど、ゼロからのスタートだった。

同社研究員から借りた文献によると、雌雄同体のナメクジは、頭部の横にある交尾器を他の個体とこすり合わせて精子を交換することで2匹ともに受精・産卵することがわかった。

次に立ちはだかったのは、個体の成長スピード。20度の恒温器のなかでキャベツやニンジンなどを与えても、大きくなるまで7〜8カ月。ようやく産卵できたと思っても孵化しない。このままでは必要なときに必要な数をそろえられない。

野菜を用意する手間も負担になっていた有吉さんは、ふと、ゴキブリに与えていた固形飼料をナメクジにも与えてみようと思いつく。なぜなら、タンパク質由来の栄養素が含まれているからだ。けれど、そのままでは食べなかった。

後輩から「粉末状で与えたらどうですか?」と提案される。すぐに試すと、驚くほどのスピードで食べ尽くした。

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【ナメクジ飼育の成果と「仕事観の変化」】

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