「年間1000人超の子どもが行方不明」“犯罪者”に狙われる《危険な場所》はどこ? 専門家が伝授する“究極の防犯対策”

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これが一番大切なのだが、とにかく基本は「逃げる」ことだ。刃物などの凶器を持った相手と対峙した場合、戦うのは絶対にNGである。とにかく全力で、犯人と反対方向に逃げる。これが鉄則である。

もし、すぐ目の前に犯人がいて逃げられない場合は、いったん抵抗せず、相手の言うことを聞くふりをして、隙を見て逃げたほうがいい。

いざとなると恐怖で声が出ないことも多いが、「声を出すより、まずは逃げることに集中しなさい」と事前に教えるべきである。

通り魔のような突然周りの人たちを襲ってきた犯人がいる場合、相手がまだこちらに気づいていなければ、大きな声を出さず、静かに、しかし全力で逃げることだ。

そこで大声を出してしまったら、助けを呼ぶ利点よりも、犯人の注意を引きつけてしまう危険性のほうが高くなる。

これらのことは知識として教えるだけでなく、いざというときに体が動くよう、日頃から危険をイメージさせておくことが重要である。

子ども
子どもを危険から守らなくてはならない(写真:今井康一撮影)

一度、子どもと一緒に通学路を歩いてみよう

ここまでさまざまな対策を挙げてきたが、防犯で大切なことは、「親子のコミュニケーション」である。

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時間がない中でも、食事やだんらんの時間を使って、防犯について話し合う習慣を持ってほしい。

たとえば、一度、子どもと一緒に通学路を歩いてみる。「この道はどの家からも見えなくて危ないね」「もしここで怖い目に遭ったら、あそこの“こども110番の家”に逃げ込むんだよ」などと、具体的な場所を指し示しながら教えるのだ。

こうしたことを日常的に行うことで、子どもの中に危険を察知するアンテナが育っていく。

夫婦間でも危機感の共有は大事だ。SNS上では、「休日のフードコート、子どもから目を離している父親が多すぎる」といった投稿が多く見られる。

父親だから、という性差についてをここでは問題にしないが、夫婦間で「こういうときには目を離さないように」「トイレには必ずついていくように」など、事前に話し合っておく必要はあるだろう。

松丸 俊彦 セキュリティコンサルタント

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まつまる としひこ / Toshihiko Matsumaru

警視庁に23年在籍。2002年日韓共催W杯サッカー大会においてロンドン警視庁の特別捜査官と共にフーリガン対策に従事。在南アフリカ日本大使館に領事として3年間勤務。南アフリカ全9州の警察本部長と個別に面会して日本大使館と現地警察との連絡体制を確立し、2010年南アフリカW杯サッカー大会における邦人援護計画を作成。警視庁復帰後、主に防諜対策(カウンターインテリジェンス)及び在京大使館のセキュリティアドバイザーを担当。全155大使館を延べ1,200回以上訪問し、大使館及び大使公邸に対するセキュリティアセスメント(警備診断)、特命全権大使を始めとする外交官に対するセキュリティブリーフィングを実施した。

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