「年間1000人超の子どもが行方不明」“犯罪者”に狙われる《危険な場所》はどこ? 専門家が伝授する“究極の防犯対策”
では、万が一、不審者に遭遇したり、連れ去られそうになったりした場合、子どもはどう行動すればよいのだろうか。
まず、広く普及している防犯ブザー。子どもがふざけて何度も鳴らしてしまって「オオカミ少年」のようになってしまい、あまり意味がない、という意見も出ている。
しかし私は、今でも非常に有効なツールだと考えている。ただし、それには条件がある。
買い与えて安心、では意味がない。いざというときに電池が切れていたり、水濡れで故障していたりするケースが非常に多いからだ。定期的に音が鳴るか親子で点検し、「ふざけて鳴らしてはいけない。でも、本当に危ないときはためらわずに使うんだよ」と、使い方をシミュレーションしておくことが不可欠だ。
GPS端末も、防犯ブザーと組み合わせることで効果を発揮する。ちなみにAirTagはそばにiPhoneがないと効力がないため、GPS端末のほうがいいだろう。近ごろでは、登校時に持って行くことを許可する学校も増えていると聞く。
ランドセルにつける子どもが多いと思うが、ランドセルごと連れ去られるとも限らず、犯人に捨てられにくいよう、服の内側など見えない場所に付ける工夫も有効である。
もしも襲われたら?「いざというとき」の護身術
そして、最も重要なのが、危険が目前に迫った際の具体的な行動である。
防犯対策では、とにかく大声を出すこと、と教えられるが、「助けてー!」や「いやー!」という叫び声は、親子喧嘩と勘違いされ、見過ごされる危険性がある。
「この人、知らない人!」「警察を呼んで!」と、具体的に叫ぶことで、周りの大人は第三者による事件だと認識できる。
腕をつかまれたら、とっさに振りほどくのが理想であるが、強くつかまれて動けない場合もある。その際は、人間の手の構造的な弱点を突くのがいい。
犯人が腕を握ったとき、親指と他の指の間には隙間ができる。つかまれた腕を、その隙間に向かって押し出すように動かすと、力が弱まり、抜けやすくなることがある。これはある程度の練習が必要だが、高学年の子どもには有効な知識となりうるであろう。
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