「年間1000人超の子どもが行方不明」“犯罪者”に狙われる《危険な場所》はどこ? 専門家が伝授する“究極の防犯対策”

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長年、国内外の防犯・危機管理コンサルティングに携わってきた専門家として、子どもに伝えるべき具体的な防犯対策をお伝えしたい。

物理的な「連れ去り」よりも怖いもの

「子どもの連れ去り」と聞くと、多くの人は公園や通学路などでの連れ去りを想像しがちである。しかし子どもの失踪背景は、年々、事情が変化してきている。

近年、特に警戒すべきは、SNSやオンラインゲームなど、親や学校が把握できない空間を介した「誘い出し」である。子ども本人は監禁されているつもりはなく、むしろ自らの意思で会いに行き、結果的に性被害に遭ったり、帰れなくなったりするケースが増えているのだ。

9歳以下ではなく、高校生までの子どもに関する数字になるが、警察庁によれば、「SNSに起因する事犯」の被害児童数は、2024年は1486人いたという。2082人だった2019年からは年々減少傾向ではあるものの、まだまだ件数は多いと言える。

また、2024年の被害児童のうち1449人がスマートフォンからアクセスしており、きっかけとなった投稿は児童自身が行っていた。それも、「プロフィール」や「趣味・嗜好」、「日常生活」といったたわいもない投稿から犯罪につながっていることが多い。

2025年の1〜2月にミャンマーのタイ国境付近で、日本人の高校生2人がタイの当局に相次いで保護されるということがあった。2人は前年の11月から出国し、「かけ子」として特殊詐欺に加担させられていたとみられる。

彼らはなぜ、遠い異国の地で犯罪に加担することになったのか。

それがまさにオンラインゲームだった。「インターネットでやり取りしている知人を通じて海外での仕事を紹介された」という。

高校生で、普段から外泊などを繰り返している子どもの場合、親は「友だちの家に泊まりに行っているのだろう」くらいにしか思わず、数日経ってようやく行方不明者届を出すというケースも少なくない。しかし、そのときにはすでに子どもは海外に渡り、パスポートを取り上げられ、逃げられない状況に追い込まれている。

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