「日本終わってる」「奈良市民は利用されてるだけ」と物議…元迷惑系YouTuber・へずまりゅう氏や、参政党・さや氏が《結局票を集めたワケ》

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心身の傷が癒えていない段階で加害者が利益を得ていることを知れば二次被害につながりかねませんし、収まっていたダメージが再燃してしまうこともありうるでしょう。

できれば、迷惑や被害を受けた当事者が悲痛な叫びをあげるのではなく、不特定多数の第三者がその危うさを指摘し、抑制できる社会でありたいところです。

へずまりゅう
「奈良の有権者の皆様に選ばれた」と胸を張る、へずまりゅう氏(画像:本人の公式Xより)

避けられぬ誹謗中傷や嫌がらせ

さらに私たちが目を向けなければいけないのは、「『悪名が無名に勝る』という社会はそれだけ人材難であり、しかもその状態が続きやすい」という危うさ。

冒頭にあげた選挙のケースで見ても、選挙の候補者や政党により資質のある人が集まっていれば、違う結果が出たかもしれませんし、少なくとも“悪名”はメリットよりデメリットのほうが大きくなるでしょう。

しかし、現在は資質のある人が政治家になりたくなるような構造ではないのか、知名度や注目度の高さが重視される状況が続いています。

これはコメンテーターやYouTuberなども同様で、過激な言動で稼いでいる人が目立つほど、資質のある人は「それなら自分はやりたくない」「同じような目線で見られたくない」と避け、「悪名が無名に勝る」という健全とは言いがたい状態が続いてしまうでしょう。

ここまであげてきたような危うさがある中、私たちに求められるのは、1人ひとりが直感ではなく、よく考えて行動し、時に建設的な議論をしていくこと。

“悪名”にはどのように向き合えばいいのか。もし支持するのなら責任を持って観察し続けるべきではないか。

情報量が増えた分、目立つものや過激なものに感覚的な反応をしやすい社会になっているだけに、それは簡単に見えて実は難しいことなのかもしれません。しかし、そろそろ真剣に目を向けるべきタイミングのようにも見えるのです。

そして最後にふれておきたいのは、“悪名”を選んだ人や企業・団体の苦しさ。一定の成功体験や収益をあげられたとしても、一方で誹謗中傷や嫌がらせは避けられず、心身を病んでしまいかねません。

今後も「悪名は無名に勝る」という社会が続いたとしても、何より自分のためにそれを選ばない自制心を持ちたいところです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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