がんの激痛で知った《緩和ケア》「決して終末期だけのものじゃない」つらさに寄り添う全貌とは?

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緩和ケアは全国のがん診療連携拠点病院であればどこでも受けることができる。筆者が通院・入院している病院には「緩和ケアチームの紹介」というパンフレットが置かれていた。それによると、緩和ケアチームには、体の症状を和らげる医師、心の苦痛を和らげる医師、看護師、薬剤師、管理栄養士がいて、ケアを受けるには担当医からの依頼が必要となる。

また、緩和ケアチームとは別に「がん相談支援センター」による相談受付もある。看護師や医療ソーシャルワーカーが、がん治療や療養生活全般に関することについて、対面や電話での相談に応じている。

また社会保険労務士による就労個別相談も実施。がん患者同士が語り合う会も開催している。このようにトータルに幅広く患者の体の痛みと心のつらさなどにこまやか対応してくれているのである。

筆者が緩和ケアにお世話になり始めたのは今年1月の入院時からだ。このときも背中や胸に痛みが走り、家の階段の上り下りも一苦労というありさまだった。誕生日の前日が外来診察の予約日だったのだが、この日はタクシーを自宅前まで呼んで後部座席に倒れ込むように乗り込んで病院に向かった。

どのような診断を受けるのか?

このときも血液検査のあと泌尿器科の処置室のベッドに寝かせてもらい、診察時間を待った。結果は緊急入院で、その際に主治医から「今回は緩和ケアチームの先生にも話を聞いてもらいましょう」との提案で、入院中のベッドにチームの先生たちが数人揃って訪れてきた。

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まずは、食欲から睡眠まで日常の症状を微細に聞き取る。そのうえで体の部位ごとにどんな痛みがあるのか、症状はどれだけ続くのか、10点満点に換算すると痛みの度合いは何点ぐらいかなどの質問が続く。そして今使っている痛み止め薬の効き具合についても尋ねてきた。

「服用直後の1時間ぐらいは効いている感じがするのですが、それ以降はどうも……」といったやり取りの後、チーフの先生がこう提案してきた。

「では、しばらくは神経系の痛みを和らげるタリージェ(神経障害性疼痛治療薬)を朝夕1錠ずつ服用していただきます。そのうえで、入院中はオキシコドンを毎日朝8時と夜8時に服用していただき、様子を見ていきましょう」

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