医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために

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(写真:タカス/PIXTA)
2023年5月に甲状腺がんと診断された緩和ケア医師の廣橋猛氏。がんの緩和ケア医療を専門とし、医師として患者に正面から向き合ってきましたが、いざ自身ががん患者になると戸惑うことが多くあったといいます。特に診断初期には困惑したのが周りの人の「ある対応」でした。がん患者にとって、本当に大切なこととはなんなのか?
著書『緩和ケア医師ががん患者になってわかった 「生きる」ためのがんとの付き合い方』より、がん患者の当事者、特に診断初期の方に知っておいてもらいたい知識をご紹介します。

科学的根拠のない話に惑わされるがん患者さんは少なくない

本当にがんになってしまったのか
家族にはなんて言う
一生がんと付き合っていかなければいけないのか
この痛みは我慢するしかないのか

2023年、私は甲状腺がんと診断されました。

上記は手術を経た現在までに抱いた私の気持ちです。特に診断された当日は、頭のなかで得体のしれない不安がぐるぐると回り続けて「なんで自分が」という気持ちに心を支配されました。いつもがん患者さんに私が話してきたことが、まさか自分の身に降りかかってくるなんて思ってもみなかったのです。

また、普段は患者さんにこのようにしたらよいというアドバイスが次から次へと思い浮かぶのに、自分のこととなると頭のなかは真っ白でなにも思いつきませんでした。がんを専門に医療行為をしている医師なのに、です。

特に困惑したのはがんに関する怪しい情報がたくさん回ってきたことです。当時は、X(旧ツイッター)で甲状腺がんを公表したこともあって、実に多くの方が個人的に連絡をくださいました。もちろん、純粋な励ましの連絡が多かったのですが、なかにはいらぬ助言をしてくる人もいたのが事実です。

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