医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために

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がんは生死に関わる病気だからこそ、主治医からの情報や後述する情報サイトを信じるのが基本の姿勢として望ましいです。それ以外の怪しい情報を伝えてきた友人には、その気持ちだけお礼を伝えてやり過ごすのが吉です。

がんに関する正しい情報を得る方法

がん患者さんが不安を抱える最大の原因は、先々の見通しがよくわからないことだと考えられます。ですから患者さんが知るべき情報は、治療内容と合併症、そして これからどうなっていくかということです。私が強くお勧めするのは、国立がん研究センターの「がん情報サービス」です。

こちらに記載されている多くの正しい情報は、漠然とした不安を解消し、これから歩んでいく方角を灯してくれる道標となってくれます。

例えば、日本人に多いがんのひとつである、大腸がんの手術を終えたあとについての記載を見てみましょう。 手術後の再発を防ぐ目的で、それなりに進行していたことを示すステージⅢであった患者さん、またはステージⅡでも再発の可能性が高いと考えられた患者さんの場合に、補助化学療法(抗がん剤治療)を行うことが推奨されていると記載されています。

これは抗がん剤を内服または点滴、もしくはその併用で行うもので、3〜 6カ月行うことが一般的とされています。

逆にこれより進行していない場合は、術後の補助治療は不要であるということです。手術の前にどれくらいのステージであるか予想はされているので、術後の治療 についてもイメージはしやすいでしょう。抗がん剤についても、使用する薬剤によって副作用は異なりますが、脱毛や吐き気、手先の痺れなどに注意が必要であるといった情報まで網羅されています。

もちろん、つらい情報が含まれることもあり、その情報をどう解釈すべきかについては、主治医に相談することが大切です。

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