医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために

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緩和ケア医はどのように「がん情報サービス」を利用したのか?

私も甲状腺がんと診断されたときも、「がん情報サービス」にアクセスして、甲状腺乳頭がんの項目を熟読しました。私がとても気になっていたのは、甲状腺をすべて切除するのかどうかでした。

診てくれた医師からはおそらくすべて切除することになると言われていましたが、できれば 少しでも残せたらいいなという期待を持っていました。 というのも、甲状腺は甲状腺ホルモンをつくる大切な臓器であり、これがすべて切除されてなくなってしまうと、チラーヂンという甲状腺ホルモンの薬を飲んで補充しなければならなくなるからです。

甲状腺ホルモンをつくる機能は回復することはないので、一生飲み続ける必要があるでしょう。そのため、「できれば避けたいな……」 と思っていたのです(残念ながら結果は、全摘でした)。

がん情報サービスのサイトの内容では、手術の合併症の記載も役立ったと実感しています。合併症というのは、手術のミスではなく、どうしても手術する過程で生じてしまうやむを得ないものです。

甲状腺の横には副甲状腺というさらに小さな臓器があるのですが、例えば、ここが一緒に取れてしまう合併症に関する記載がありました。副甲状腺はカルシウムというミネラルの成分に関連する大切な部位のため、取れてしまうと術後にテタニーと呼ばれる低カルシウム血症の症状で痺れなどが出ることがあるとわかりました。実際、術後に低カルシウム血症にならないように、薬を飲むことになって、このときに情報を確認してよかったと思っています。

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