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医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために

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  • 廣橋 猛 永寿総合病院がん診療支援・緩和ケアセンター長、緩和ケア病棟長
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「甲状腺がんは治療しない方がよい」

「食事療法をした方がよい」

「よく効くサプリメントを紹介したい」

「コロナワクチンは打たない方がよい」

これまでがん患者さんから聞かされていた、がんと明かすと怪しい情報を送ってくる人がいるという話が真実であったことに衝撃を受けました。

ただでさえ、インターネットには、がんに関する情報が無数に散らばっています。一般の人には、どれが正しい情報なのかわかりにくいでしょう。また、どの情報が正しいと確信を持てる人でなければ、さまざまな情報が入ってくるなかでなにを信じたらよいかわからなくなり、戸惑われることもあるはずです。

怪しい情報に騙されてしまうケースも

実際、私が診ている患者さんのなかにも、偏った食事療法を信じてしまい、体調を崩してしまった方など、さまざまな方がいらっしゃいました。

糖質ががん細胞を増殖させるので、断食をしたらがんは死滅するという情報を信じてしまい、患者さん自身が衰弱してしまった人。四つ足の動物を食べるとよくないという情報を信じて、牛肉や豚肉を一切食べず、ずっと味気ない食生活を続けて抑うつになってしまった人。例を出したらキリがありませんが、怪しい情報に騙されて、かえって体調を崩してしまっては、がんとうまく付き合って生きていけるわけがありません。

患者さんだけではありません。ご家族がなんとか患者さんの病気をよくしたいと思って、根拠のない健康食品や生活習慣を患者さんに勧めてしまうこともあります。その結果、残念なことに最終的に健康に害が出て、命を縮めることになってしまうような方もいらっしゃるのです。

ただ、怪しい情報を伝えてくる人たちというのは、その大半は悪気があってではなく、よかれと思って自身が信じていることを伝えてくれているようです。だから、タチが悪いとも言えます。

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