さらに問題はこの週末の20日に行われる参議院選挙において、自民党が大幅に議席を減らしそうなことである。与党の過半数割れを予測する声も少なくない。仮にそうなった場合、石破政権は昨年秋の総選挙、今年6月の東京都議会選挙に続く3連敗である。当然、永田町では進退を問う声が高まるだろう。
「石破首相辞任」なら、その後はどうなるのか
とはいうものの、そこで石破首相が辞任してしまった場合、いったい誰が日米関税交渉を担うことになるのか。8月1日になると、アメリカ向け輸出の相互関税は現行の10%から25%に引き上げられる。景気への影響も小さくないだろう。ここは石破首相に鉄面皮になってもらい、「残り10日間」の対米交渉に賭けるほかないのではないだろうか。
加えて悩ましいのは国会日程である。参院選後は臨時国会を召集し、参議院議長などの人事を決めなければならない。たぶんタイミングは8月1日前後であろう。そこで石破首相が辞意表明してしまった場合、果たして正当な手続きで次期首相を迅速に決められるのか、という問題が生じることになる。
まずは自民党総裁選挙をということになるだろう。たぶんフルスペックでやっている時間的余裕はなく、両院議員総会でということになる。
例えば8月15日には「戦後80年」という厳粛なときを迎えるのだが、全国戦没者追悼式の日に日本国首相が不在でいいのかといった問題も生じるだろう。
さらに8月22~24日には、横浜で「TICAD9」(第9回アフリカ開発会議)が予定されている。アフリカ各国の首脳が訪日するこのときまでには、さすがに首相を決めておかないと日本外交としては格好がつかないことになる。
しかしながら、衆議院は少数与党である。首班指名選挙をやると、どういう合従連衡になるのかが読み切れない。実際問題として、参政党、日本維新の会、日本保守党という「自民党より右」の3つの野党が、協力して立憲民主党の野田佳彦代表に投票することはなさそうだ。だったらやっぱり自民党総裁が総理になりそうなものなのだが、それにしたって自民党が割れたりした日には、どういうことになるか見当もつかない。
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