石破首相は続投?それとも辞任か?参議院選挙後の対米関税交渉はいったい誰が担うのか

✎ 1〜 ✎ 277 ✎ 278 ✎ 279 ✎ 280
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ところがそこから株価は反騰。ナスダック総合指数やS&P500種指数などは史上最高値を更新した。7月9日の期限が迫っても、「なあに、どうせ再延期されるでしょ」とばかりにTACOトレードが進んだ。しかも7月4日には新年度予算、通称「ひとつの大きな美しい法案」が僅差で成立した。これで年末に失効するはずだった「2017年トランプ減税」の恒久化が決まったし、新たにチップ収入や残業代に対する減税も導入される。懸案だった債務上限問題も、米国債の発行上限が5兆ドルも引き上げられたから、当分は「心配ご無用!」となる。

「トランプ関税の逆襲」にさらされる日本政府

しかし株価がこんな風に上げているということは、トランプ大統領からみれば、「ほれみろ、やっぱり俺が言っていた通りだろう」ということになる。関税を払うのはアメリカの消費者ではなくて外国企業なのだから、高ければ高いほどいい。そもそも軍事的に守ってもらっているような国は、アメリカに金(カネ)を払うのが当たり前ではないか。

ということで、7月7日から「トランプ関税の逆襲」が始まった。その先陣を切って、日本政府に対してトランプ大統領からの書簡が送られてきた。

「2025年8月1日より、アメリカへのすべての日本製品に対して25%の関税を課すこととします。25%という数字は、日本との貿易赤字の格差を解消するために必要とされる水準よりはるかに低いことをご理解ください」

いやもう、外交文書とは思えないくらい慇懃無礼な文面であった。察するに相手国に伝えるというよりも、自国の「MAGA」支持者に読んでもらいたいのであろう。

困ったのが日本政府である。すぐに対米交渉に取り掛かりたいところながら、すでに7月3日には参議院選挙の公示が行われている。石破茂首相は街頭演説で、「国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか」と吠えたけれども、交渉窓口である赤澤亮正経済再生担当相が3カ月間に7回も「ワシントン詣で」をしていたら、甘く見られても仕方がないところであろう。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事