寝苦しい夜に快眠に導く「エアコン使い」の4段調整法――睡眠の専門家に聞いたプラスαの快眠法と暑がりの人と寝るときのコツ
「一般的に、環境に配慮しつつ人が快適に眠れる温度の目安は25~28℃といわれていますが、28℃以下なら室温は何度でも構いません。例えば20℃でキンキンに部屋を冷やして、厚い布団を掛けたほうがぐっすり眠れるというのであれば、それでもOKです」
「ただ、電気代と環境負荷がかかるので、『エコ』ではないですし、外気温との差が大きいと自律神経に負担がかかり、体調を崩しやすいということもあります。できれば、室内外の温度差は5℃以内、例えば気温が27℃なら22℃を下限の目安にしたほうがいいでしょう」
と三橋さん。
エアコンでだるくなる理由
①を試してみたら「だるくなってしまう」という人は、着るもので調整をしてみるとよいそうだ。具体的には、いつも半袖・半ズボンのパジャマを着ているのであれば、長袖・長ズボンに変えてみたり、腹巻きやレッグウォーマーなどで調整したりしてみる。
三橋さんによれば、「冷房をつけていると体がだるくなるのは、寝冷えのせい」だとか。睡眠中は体温を調整するための反射機能が低下している。半袖・半ズボンなど肌の露出が多いままで寝ていると、冷気が体に直接当たり、体が冷えてしまうのだ。
②で調整すると、③のように「長袖・長ズボンのパジャマにしてもだるくなる」場合は、室温は低いままにし、保温性の高い掛け寝具を使うことで調整する。ガーゼケットやタオルケットを使っていたら、薄手の掛け布団に変えるなどして、保温性を高めてみよう。
それで「暑いと感じる」場合は、④のように冷房の温度をもう少し下げて、快眠できる温度を探してみる。
こうして、自分にとってちょうどいいエアコンと着衣量と寝具の組み合わせを見つけていくとよいそうだ。
ここまで読んでお気づきの人もいるだろうが、この調整法はエアコンを一晩中つけっぱなしにしておくことが前提となっている。なぜ、つけっぱなしのほうがいいのだろうか。
「切タイマーを使うと、室内は昼間、壁や天井にこもった熱(輻射熱:ふくしゃねつ)によって温度が徐々に上がり、目が覚めてしまう原因になるからです。また、室温が28℃を超えれば、睡眠中に熱中症を起こすリスクが高まります。『冷房は体がだるくなるから苦手』という人が今もまだいますが、扇風機だけで乗り切ろうとするのは、今の猛暑を考えると大変危険なので、やめましょう」(三橋さん)
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