「学校に行きたくない」と子どもが言ったら、親が最初にすべき“たった1つのこと” 10年で5倍の小学生不登校「初期対応」の正解とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかし、その間に子どもたちの生活は、私たちの想像をはるかに超えて大きく変わっているように思います。10年で5倍という増加は、他の統計データではなかなか見られないほど急激な変化です。

その背景を探るために取材を進めていく中で、私たちが普段気づかない驚くべき事実が次々と明らかになりました。いじめの低年齢化、そして習い事を中心とする生活様式の変化も、その一因です。

私たちが子どもの頃に感じていた自由な時間とはまるで違い、今の子どもたちは非常に忙しい毎日を送っています。そして、人間関係に苦しみ、生きづらさを抱えた子どもたちの姿が、小学生の世界に広がっていたのです。

「学校に行きたくない」と言われたら、まずはお茶をにごす

子どもから「学校に行きたくない」と言われたとき、どう対応すべきか。結論から言うと、「学校に行きたくない」と言われたら、「ああ、そう」と言って、まずは休ませてあげるのが一番です。

一番ですが、実際にはそう簡単に言えないことが多いですよね。そこで私がおすすめするのは、「生返事で返す」という方法です。

たとえば、「ああ」や「うん」といった曖昧な反応で、「そうなんだ」というニュアンスを伝える程度にとどめます。このように肯定も否定もしないで、いったんお茶をにごしてください。

反応を保留しておくことで、その後、子どものほうから自分の気持ちを話し始めることが多々あります。「大変なんだ」と言ったり、感情があふれて泣き出してしまう子もいるかもしれません。そんなときは、話をじっくり聞き、「もう少し休もうか」と声をかけてあげればいいと思います。

また、ときには「もう行きたくない!」と感情を爆発させ、その後に学校の悪口を話して気分がすっきりする子もいます。

大切なのは、「魔法の言葉探し」を捨てることです。私たちは、どこかに「この言葉を言えば子どもが学校に行くようになる」とか、「トラブルが解決する」魔法のような言葉があるのではないかと思いがちです。しかし、残念ながらそのような言葉は存在しません。それはドラマの中でしか見られない話です。

次ページほぼすべての親たちが踏んできた地雷
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事