「最近、おひとりさま特集多くない?」「本当にひとりで寂しくないの?」《中高年女性の1人暮らし》ばかり注目されている理由とその実態

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しかし、「加齢とともに物欲が下がった」という人が多く、「今まで無駄にお金を使いすぎていたことに気づいた」「節約生活するようになって気持ちが軽くなった」などと前向きに語る人が少なくありません。

物価の上昇に不安を感じている人はもちろんいますが、それは年齢不問であり、「中高年期の女性1人暮らしだから」ではないでしょう。

最大の不安は「もしも」の事態

そして中高年期の女性1人暮らしを語るうえで、もう1つ忘れてはいけないのが、「もしも」の不安。

精神的に落ち込んだとき、病気になったとき、倒れてしまったときなどはどうするのか。番組出演者も筆者の相談者さんや知人も、この点を最も不安視していました。中高年層の女性たちが「若いころは考えもしなかったこれらの現実から目を背けてはいけない」と考えていることに気づかされます。

「もしも」の事態に向き合う際、重要なのは、心の安定につながる“備え”をどれだけ実行できるか。

たとえば、「徒歩圏内に頼れそうな人を確保しておく」「宅食や飲料などの配達員に異変を気づいてもらうようにする」「離れて住む子どもや兄妹と見守りアプリなどでつながっておく」「企業の見守りサービスを利用する」「防犯や護身グッズをそろえておく」「急病になったときに備えてスーツケースに入院グッズを詰めておく」「現状を把握する意味も含め、エンディングノートを書いておく」「緊急時に人を入れられる片付けた部屋を作っておく」などの具体的な備えが精神的な落ち着きにつながっていきます。

筆者の相談者さんたちには「『もしも』の備えは自分で『これだけやったから大丈夫かもしれない』と思えるまでやっておく」ことをすすめておきました。この点に関しては不安があるのは当然であり、だからこそ大切なのは、それを自らできるところまで軽減させておくこと。そのうえで1人暮らしのメリットを優先させて過ごしていきたいところです。

ただ「あさイチ」では各年代の女性1人暮らしが紹介されたあと、博多大吉さんが「ちょっとみなさんレベルが高い気がしたんですけど……」、近藤春菜さんが「みなさんはいろんなことがちゃんとできてます」、YOUさんが「最初にこういうステキな方々を出されてしまうとできない私たちは……」などと戸惑うような声をあげていました。

あさイチ
共感の声をあげていたYOUさんと近藤春菜さん(画像:「あさイチ」公式Instagramより)
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