「最近、おひとりさま特集多くない?」「本当にひとりで寂しくないの?」《中高年女性の1人暮らし》ばかり注目されている理由とその実態

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1人暮らしの相談者さんと話していても、将来のお金や病気の不安を訴える人はいても、寂しさを訴える人はあまりいません。もともと独身の人は1人暮らしに慣れていて「今さら誰かと同居はしたくない」、離婚や死別、子どもの独立で1人暮らしになった人は「ひさびさに自由や気楽さを感じている」というのが現実的なところ。

「中高年期の女性1人暮らしは寂しい」という感覚は第三者の先入観によるところが大きいのではないでしょうか。

「1人の節約生活」をどう受け止めるか

不安という点で寂しさよりも大きいのが経済面。「中高年期の女性1人暮らしは経済的に苦しいのではないか」とみられがちですが、これには個人差があり、一概にはどちらとも言えないところがあります。

たとえば「一定の貯蓄がある」「親や夫が残した持ち家がある」「現在も1人暮らしとしては十分な収入がある」という人は、漠然とした将来の不安があるという程度でしょう。

ただ、そういう人は少数派であり、現実は「経済的な不安がある」という人が多数派。このような人々が1人暮らしをしていくうえで、「節約生活を楽しめるか」がカギを握っています。

今回の番組だけではなく書籍なども含め、節約レシピ、室内での水耕栽培、食料品をシェアで購入、服をリメイク、散髪は自分でするなどの工夫が紹介されていますが、はたしてこれらを楽しみながらやれるのか。「自分でやれることは自分でやろう」と自由時間を有効活用できる人は経済的な不安が少ない傾向があります。

住居の面では持ち家か賃貸かで不安の大きさは変わりますが、持ち家がない人も「家賃や購入金額が安価な郊外へ引っ越す」「犬が飼える物件で安いところを探す」などの対応が一般的であり、相談者さんの中にはそれを許容できずに悩む人もいました。

また、離婚や死別、子どもの独立を経て広い家から賃貸のワンルームに引っ越した人は「狭いな」と感じやすいでしょうし、家賃との折り合いをつけるポイントが難しいところです。

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