『変な地図』が70万部超え!作家《雨穴》にインタビュー…その「意外な素顔」とは。"次作の構想"や"処世術"を聞いた

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雨穴
最新の小説『変な地図』が70万部を超えるヒットになっている覆面ホラー作家、YouTuberの雨穴。小説に込める思いや、今後の挑戦について話を聞いた(撮影:川口宗道、双葉社提供)
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覆面ホラー作家、YouTuberとして若い世代に人気の雨穴(うけつ)。その小説『変な地図』(双葉社)は、10月31日の発刊から70万部を超えるヒットになっている。
『変な家』『変な絵』『変な家2』に続く『変な』シリーズ4作目となる本作は、映画化もされ社会的ヒットになった『変な家』以来4年ぶりの長編になる。そんな本作での新たな挑戦と、次世代のストーリーテラーが心の内に抱く、物語を社会に伝える思いを聞いた。

シリーズの根っこにあるのは間取図ミステリー

――今回の地図を題材にした『変な』物語の着想を教えてください。

もともと一人旅が好きで、学生の頃はよく旅行に出ていたんです。長い山間トンネルや、車窓から見える森の中にポツンと存在する集落にすごく心が惹かれて、この感覚をいつか小説にしたいとずっと考えていました。それを表現するうえで一番いい素材が地図です。そこからスタートしています。

――今作では、過去の秘密を抱える集落と、そのすぐ目の前の山、そこを通るトンネルにまつわるいくつもの謎が描かれます。

過去に旅行をしたときに、地方鉄道のトンネル内の駅で下車したことがあって。そこは辺りに何もなくて、ただ山と森と車道があるだけでした。なぜこんなところに駅を作ったんだろうと思って調べたことがあり、その疑問をもとにミステリーを作ったらおもしろいと考えて、今作の内容を固めていきました。

――物語のなかには、シリーズ第1作でおなじみの間取図を使った謎も出てきます。

『変な』シリーズは間取図を題材にする『変な家』から始まりました。今作はそこに登場する栗原を主人公にした物語になっています。シリーズの根っこには間取図のミステリーがあり、彼を主人公にするのであれば、その要素を入れないのは違うだろうと思いました。ファンになっていただいた方への読者サービス的な意識もあります。

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