セブン&アイが断ったのではなくクシュタールが一方的に手を引いた、世界のコンビニ好きには朗報。セブンは攻勢の時だ
会議は、貴社のアドバイザーが表現したように、準備されたものを「読み上げた」だけのものでした。セブンイレブンチームの一部のメンバーの方には建設的に対応いただき、感謝いたしましたが、最終的に、この会議においては新たな情報をほとんど得ることはできませんでした。
東京での会議も同様でした。会議は予定されていた時間の約半分の時間で閉会となり、台本を読み上げただけのものでした。
日本に多少なりともなじみがあれば、「読み上げ」に終始し、新たな情報が得られにくい、形式ばったミーティングがこの国では決して珍しくないと知っているはずだ。良くも悪くも、それが日本だ。
そうしたことを理解せず、最初からつまずいたクシュタールが、セブン&アイが利益の半分以上を今なお国内で稼ぐ中で、セブン-イレブンの良き運営会社となれたとは思えない。
今回の買収頓挫について、日本のコーポレートガバナンス(企業統治)改革が後退したとか、失望を招くとか、過去への逆戻りといった論調が数多く出てくるだろう。だが、それらは無視して問題ない。
改革は着実に進んでおり、日本の企業社会はこれまで以上に開かれている。政府の介入や「系列」による囲い込みがあったわけではない。ただ単に、良くない買収案だったというだけで、セブン&アイが断ったのではなく、クシュタールが一方的に手を引いたのだ。