「台湾人です。もうセブン行くのやめた」「日本人だがこれはない」などの声が…。セブンが「中国(台湾)」表記で炎上、一体何がマズかったか

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この表記は、おもに台湾や日本などのネットユーザーから、多くの意見=批判を招く結果となった。もちろん、批判者は同表記を中国の主権主張に迎合する容認しがたい表記と考えた。セブン-イレブンは公式に謝罪し、投稿を削除する事態に至った。

セブンイレブン「台湾(中国)」画像
「それぞれでユニフォームが異なっています」という、一見平和なポストだが…(画像はXのスクショ)
セブンイレブン
中国(台湾)の文字が確認できる。また、ハワイは(アメリカ)ではないのもツッコミを集めた(画像:セブン&アイホールディングスの公式Xより)
セブンイレブン
もう1枚の画像では、広東、広州、香港も中国の一部…という主張だとわかる(画像:セブン&アイホールディングスの公式Xより)

なお日本政府の見解では、一つの中国を主張し、台湾は中国の一部だとする中国政府の立場を理解し、尊重する……というスタンスである。

正式見解を知らない日本人もいただろう。ただ、無知だと批判することも難しい。なぜならば、台湾は日本の友好「国」であり半導体等を含めたサプライチェーンをお互いに創る仲間という意識が非常に強いからだ。

「戦略的曖昧さ」が必要になることも

そもそも中国でビジネスを展開する企業が直面する地政学リスクはかねて存在した。

たとえば、企業がウェブサイトの地図上で台湾を「独立国」かのように記載するとか、尖閣諸島や南シナ海の島々を中国が主張する名称を使用しなかったりとか、新疆ウイグル自治区の境界線を不正確に表示したりとか。このような「おてつき」を中国政府から指摘されたケースがある。日本企業は中国政府の手前、謝罪に追い込まれている。

世界に「中国」は一つしか存在しない、そして、台湾は中国の一部であり、中国政府がすべてを代表する、というロジックだから、中国でビジネスを展開する企業としては反論しようがない。国内法規への違反と見なされるからだ。

もっといえば、領土保全に対する政治的な挑戦と思われると、商売ができなくなってしまう。

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