「3億円タワマン」の下に経営難に陥る創業130年の下駄屋がある街「月島」 新住民と旧住民の間にある"大きな経済格差"によって見えた深い分断

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もんじゃ経験が少ない私は、上手に焼けるだろうかと不安だったが、そんな心配は無用だった。すべて店のスタッフがやってくれるのだ。

器に盛られた具材を、手際よく溶いて、熱々の鉄板の上にさっと広げて、しばし炒めた後に、具材で丸く土手を造る。その真ん中に生地を流し込めば、準備完了だ。あとはお好みのタイミングで食べればいい。

新住民と旧住民が交わらないのは自然なこと?

小さなコテを使って、いろいろな具材が溶け合った熱々のもんじゃをいただきながら、月島のタワマン事情を思い返した。

この街を歩いて改めて実感したのは、タワーマンションの価格帯と、地元商店街の経済規模とのギャップだ。

タワマンだけじゃない街
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上空では数億円の住戸が売買され、足元では百年続いた履物店や本屋が、後継者不在と収益低下に悩み、静かに幕を下ろそうとしている。

これまでいくつか、タワマンのある街を訪れたが、どこもマンションの新住民と、もとから暮らす旧住民の交流は薄い。これもタワマン街の特徴と言えるのだが、寂しい気もする。

前出の相田さんは西仲通り商店街を「自然発生的な商店街」と表現した。一方、タワマンは人が計画して作った再開発の物件だ。2つが根本から溶け合うことはないのだろう。(編集:國友公司)

【もっと読む】タワマン増殖で「西日すら当たらない」と嘆く旧住民たちの"現実" 中央区「勝どき」から失われたものはこんなにもあった では、タワマンが乱立する勝どきを、街に詳しいライターの末並俊司氏が探訪。タワマンが増えたことによる街の変化を、豊富な写真とともにレポートしている。登録すれば本連載の最新記事が届く《こちら》の「著者フォロー」ボタンから。
末並 俊司 ライター

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すえなみ・しゅんじ / Shunji Suenami

福岡県生まれ。93年日本大学芸術学部を卒業後、テレビ番組制作会社に所属。09年からライターとして活動開始。両親の自宅介護をキッカケに介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)修了。現在、『週刊ポスト』を中心として取材・執筆を行っている。

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